活動・成果

T-GExアソシエート・新谷正嶺博士(中部大学)の研究成果が「Biochemical and Biophysical Research Communications」に掲載されました

T-GExアソシエート・新谷正嶺博士(中部大学生命健康科学部)の研究成果が「Biochemical and Biophysical Research Communications」に掲載されました。

成果の一言説明:骨格筋のサルコメアが自律的に収縮・弛緩を繰り返す現象、サルコメリックオシレーションに対して、新たな解析手法を適用し、現象に潜む新たな波動特性(非線形波動的な複数のホール挙動)を発見しました。

成果要旨:本研究では、骨格筋のサルコメアが自律的に収縮・弛緩を繰り返す現象、サルコメリックオシレーションに対して、新たな解析手法を適用し、現象に潜む新たな波動特性(非線形波動的な複数のホール挙動)を発見しました。サルコメアの収縮・弛緩であるサルコメリックオシレーション(sarcomeric oscillations)だけでなく、サルコメアを仕切るZ線の振動をサルコシンクドオシレーション(sarcosynced oscillations)にも注目し、その双方の波動に対して、瞬時振幅・位相を算出して波動特性を調べました。瞬時振幅・位相の解析を通じて、伝播波の進行や衝突時におけるsarcosynced oscillationsとsarcomeric oscillationsの相互作用を詳細に分析しました。このプロセスで発見された「SD hole」と「SC hole」は、筋肉の効率的な機能と調節メカニズムを理解する上で重要な指標となると期待されます。
Sarcomeric Defect Hole (SD hole):一方向に伝播する波動中に発生する、一時的な振幅の低下。
Sarcomeric Collision Hole (SC hole):波動が衝突する際に観察される、長期間持続する振幅の低下。

添付の図の説明:サルコメリックオシレーションとサルコメアを仕切るZ線の振動(サルコシンクドオシレーション)の間の相互作用とその波動特性
A. サルコメリックオシレーション状態の骨格筋筋原線維の隣接する連続31本のZ線の振動(サルコシンクドオシレーション)の時系列データ。B. そのZ線間の距離として定義される連続30節のサルコメア長変化の振動(サルコメリックオシレーション)の時系列データ。C. サルコシンクドオシレーションの瞬時振幅の時空間分布。D. サルコメリックオシレーションの瞬時振幅の時空間分布。E. サルコシンクドオシレーションの瞬時位相の時空間分布。F. サルコメリックオシレーションの瞬時位相の時空間分布。G. 図中4秒の時点のサルコシンクドオシレーションの瞬時振幅・位相の変化。距離25μmの部位に生じている、瞬時位相の急激なジャンプを伴う瞬時振幅の凹みがSD hole。G. 図中4秒の時点のサルコメリックオシレーションの瞬時振幅・位相の変化。

Biochemical and Biophysical Research Communications 
Hole behavior captured by analysis of instantaneous amplitude and phase of sarcosynced oscillations reveals wave
詳細はこちら(外部リンクへ)

プレスリリース 
筋肉のバネ振動の新たな解析法を開発し筋肉の波動特性を明らかに~波動の凹みの挙動という新たな評価指標を発見~ 詳細はこちら(外部リンクへ)

中部大学 お知らせ(学術・研究) 詳細はこちら(外部リンクへ)

関連研究者