育成方針

T-GExが目指す育成者像は、「国」「業種」「分野」「文化」の壁を打ち破り、異なる領域の知と経験を縦横につなぎながら新たな課題に常に挑戦し、チームを牽引して世界的課題の解決を実現する知の「開拓者」です。
こうした知の「開拓者」は、「高度な専門性」、「協働力」、「課題発見力」、「世界の潮流をつかむ力」、「出口志向感覚」、「研究推進力」といった能力・スキルを身に着けている点では共通していますが、将来への展望や方向性はそれぞれ異なると想定されます。そこで、T-GExでは、T-GExフェローが研究者として自らを進化させ、飛躍するための育成計画を、T-GExフェロー自身が希望する方向性(トラック)に合わせて策定します。本プログラムで設定するトラックは、「国際共同研究」、「学際共同研究」、「産学連携」、「起業」と、これらを組み合わせた「拡張トラック」の5つです。

知の開拓者スキルフレームワーク

育成プログラム

T-GExプログラムは、T-GExフェローが連携機関から派遣されたT-GExアソシエートとともに、本プログラムが提供する研究ネットワーク構築の機会やトランスファラブル・スキルを身につけるためのセミナーなどに参加して研究者としての「協働基礎力」を養うフェーズ1と、T-GExフェローが自らのニーズに適合するトラックを選定し、共同研究プロジェクトなどを展開しながら研究力を高度に発展させていくための「協働発展力」を高めることを、研究資金やメンタリングなどを提供することで支援するフェーズ2によって構成されています。さらに、T-GExプログラムでは若手研究者の上記の活動をバックアップするため、研究機器や施設の共同利用システムの整備、ワークライフバランス支援の好事例の共有など、研究環境や研究インフラストラクチャーの整備をコンソーシアム内で連携機関と共同して行っていきます。

育成プログラムのイメージ

フェーズ1基礎力の底上げ

  • 世界的課題の解決を目指す研究の立ち上げ(スタートアップ研究費)
  • スキルブースターモジュールへの参加

フェーズ2育成トラックを実践

  • 国際共同研究、学際共同研究、産学連携、起業と、これらを組み合わせた拡張トラックの5つのトラックから実践するトラックを選択し研究を推進(テーラーメード型研究費)
  • T-GExフェローとT-GExアソシエートとの共同研究や共同事業の推進(シーズ共同研究費)

研究インフラ整備

  • プラットフォーム整備
  • 共通機器等の共同利用
  • ワークライフバランス支援等

研究環境整備

  • 研究スペースの提供

人的サポート

  • 学術メンター
  • 企業アドバイザー
  • URA、事務

支援内容

研究環境構築支援

  • 研究に専念できる環境を支援
  • 高等研究院に所属・兼務することにより、研究エフォート50%を確保
  • 研究スペース50㎡程度を希望に応じて措置

研究費の支援

スタートアップ研究費

本事業で挑戦したい世界的課題の解決を目指す研究について、自身のニーズに合わせて使用できる研究費を支援
※上限50万円(育成開始年度のみ)

テーラーメード型研究費

本事業で挑戦したい世界的課題の解決を目指す研究について、5つのトラック(国際共同研究、学際共同研究、産学連携、起業、拡張)から自身が進みたいトラックを選択。その研究経費を支援。
※上限300万円/年(育成2年度目から開始)

シーズ共同研究費

T-GExフェローとT-GExアソシエートとの共同研究あるいは共同事業を推奨。
※支援金額は予算状況により決定

トランスファラブル・スキル向上のためのプログラムや異分野・異業種の研究者とのネットワーキングの機会(スキルブースターモジュール)の提供

  • 異分野・異文化コミュニケーション能力やマネジメント能力など、PIに必要なスキルの向上をサポートするセミナーや研修の提供
  • 多様な分野の若手研究者や専門家とのネットワーキングの機会の提供
  • コンソーシアム主催の研究成果エキシビションや国際シンポジウムの開催

研究力分析ツールの提供

  • e-ポートフォリオを活用して、研究活動やトランスファラブル・スキルの向上状況の管理と自己分析を実施

メンター、アドバイザー、URAの支援

  • 研究計画に応じて学術メンターや企業アドバイザーを配置し、研究推進の加速化を支援
  • 研究支援者(URA)が、研究力分析、研究推進、共同研究、アウトリーチ活動、知財管理等を支援

スキルブースターモジュール

研究ネットワークの拡大・構築、トランスファラブル・スキル向上のために、セミナーや研修、交流の場を提供

  • ネットワーク構築

    異なる研究領域を専門とする若手研究者(T-GExフェローとT-GExアソシエート)が企業の若手研究者などとの交流を通じて、多様な分野や業種で行われている研究への相互理解を深め、自身の研究に新たな視点を取り入れる機会とする。

  • マネジメントスキル

    自分自身の研究や業務のマネジメント、研究室や研究チームのマネジメントに必要とされる様々なマネジメントスキルを学ぶことで、若手研究者のチーム運営力の向上につなげる。

  • コミュニケーションスキル

    研究教育活動に必要な様々なコミュニケーションの手法について学ぶことで、状況や相手に合せた伝わりやすいコミュニケーションについて習得する機会とするだけでなく、チーム力向上に必要なコミュニケーションについても習得する機会とする。

  • 社会実践活動

    産学連携や企業・公的団体・国際機関との協働のために必要な知識や考え方、手法、さらに、産業界や社会のニーズについて学ぶことを通じて、社会実装にとどまらない研究成果の社会的還元について考え、イメージの明確化を図る機会とする。

  • ロールモデル研究

    独自に卓越したキャリアを切り拓いてきた多様な人材との交流を通じて、自分自身のこれまでのキャリアを振り返るとともに、今後のキャリアについて考える機会とする。(例:卓越したキャリアを切り拓いてきた多様な人材との交流)

  • リトリート

    T-GExフェローとT-GExアソシエートの研究活動経験の共有と振り返りを通じて、若手研究者自身の研究活動やリーダーとしての行動を相互に検討し合うことを通じて、知の「開拓者」としての更なるスキルアップにつなげる。