宗教哲学
南 翔一朗
MINAMI Shoichiro
2024年度採用
南山大学
人文学部キリスト教学科
講師
専門分野
キーワード
宗教
キリスト教
哲学
倫理学
所属学協会
日本基督教学会
日本宗教学会
日本カント協会
主な研究内容
私はこれまで18世紀ドイツ(プロイセン)の哲学者であるカントの宗教哲学、特にカントにおける倫理学から宗教哲学への移行プロセスに関する研究を行ってきました。『人倫の形而上学の基礎づけ』(1785年)や『実践理性批判』(1788年)といった著作において自己の倫理学・道徳哲学的立場を明確化したカントは、『実践理性批判』や『単なる理性の限界内における宗教』(1793年、通称『宗教論』)などにおける倫理学以後の著作において、宗教を倫理学という土台の上に構築するための試みを行いました。そういう意味で、カントの宗教哲学は倫理学という正しき土台を有する宗教とそうでない宗教、哲学的に許容不可能な宗教を弁別するような性格を持っているともいうことができるでしょう。
以上のように、これまでの私の研究内容は、過去の哲学者の思想の解明を志すものであり、多分に哲学史的な研究となっています。しかし、私自身の興味関心はもう少しアクチュアルなものであり、現代社会において多様な倫理的問題をもたらしている宗教に関して、許容可能な宗教とそうでない宗教の識別方法、あるいは宗教の理想的な姿を明確化し、社会における宗教の役割や存在意義を明らかにしたいというものです。近年、日本国内においても、ある特定の宗教の扱い方や処遇が問題化し、さらにそれと関連して宗教を規制する法のあり方なども議論されていますが、そのような問題も宗教と倫理の関係をめぐる哲学的な思惟と分析を用いることで、よりはっきりと争点を認識し、問題の性質や向かうべき方向を見えやすくすることができると考えています。
論文
・「カントの実践哲学における二つの意志概念―WilleおよびWillkürの概念とその変遷―」、単著、2011年3月、『キリスト教と近代社会』、現代キリスト教思想研究会、pp.71-86. (16p.)
・「カントの宗教哲学における倫理的公共体と義務としての最高善の促進 ――宗教哲学から社会哲学への移行とその問題――」、単著、2017年3月、『基督教学研究』、36号、京都大学基督教学会、pp.67-80. (14 p.)
研究紹介
インタビュー
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