T-GExアソシエートである新谷正嶺博士(中部大学 生命健康科学部 生命医科学科/AI数理データサイエンスセンター)は、生きた心筋細胞内で直列に並ぶサルコメア(筋肉の最小収縮単位)の協調運動を解析しました。
心筋細胞を局所的に温めたときに現れる高頻度サルコメア自励振動(Hyperthermal Sarcomeric Oscillations:HSOs)中に検出した230件の隣接関係の切り替えのうち、216件(93.9%)は、4つの隣接関係のうち1つだけが変わる「1リンク切り替え」でした。
さらに、補償到達距離を計算できた248件の1リンク切り替えを解析したところ、同じ種類の切り替えでも、相対的な短縮と伸長の再配分は、近傍にとどまる場合から、観察した5サルコメア鎖の広い範囲に及ぶ場合まで変化しました。また、切り替え前に同じタイミングで動く隣接ペアが多いほど、再配分の広がりを表す「補償到達距離」が大きくなることが示されました。
本成果は、分子モーターの確率的な動きと心筋細胞全体の安定した拍動の間にある、複数サルコメア規模の協調過程を示すものです。論文は2026年7月15日にJ-STAGEで早期公開され、中部大学は2026年7月21日にプレスリリースを発表しました。
【論文情報】
雑誌名:Biophysics and Physicobiology
論文タイトル:Structured neighboring-sarcomere switching is coupled to variable-reach internal length redistribution during hyperthermal sarcomeric oscillations in living cardiomyocytes
著者:Seine A. Shintani
Article ID:e230024
DOI:10.2142/biophysico.bppb-v23.0024
中部大学プレスリリース:詳細はこちら(外部リンクへ)
https://www.chubu.ac.jp/news/58951/
論文ページ:詳細はこちら(外部リンクへ)
https://doi.org/10.2142/biophysico.bppb-v23.0024

