生命情報学
遺伝統計学
老化
再生医療

岡田 大瑚
OKADA Daigo
2025年度採用
岐阜大学
高等研究院/大学院医学系研究科
G-YLC特任助教
専門分野
キーワード
ブロックチェーン
ゲノミクス
人工知能
細胞医療
所属学協会
日本抗加齢医学会
日本基礎老化学会
日本人工知能学会
日本人類遺伝学会
主な研究内容
私はこれまで、バイオインフォマティクスと老化生物学の分野で研究を行ってきました。
バイオインフォマティクスとは、生命現象を情報科学や数理科学の手法を用いて解明しようとする学際的な分野です。特に私は、ゲノム情報をはじめとする網羅的な生体分子データ(オミックスデータ)の解析を中心に取り組んできました。中でも、細胞一つひとつに対して測定が行われる「1細胞データ」の解析研究に力を入れ、新規の統計・機械学習手法を複数開発してきました。
こうしたバイオインフォマティクス的なアプローチを活かし、老化という複雑な生命現象の解明にも取り組んでいます。老化は全身の複数の組織・細胞にわたって進行する現象であり、その全体像を捉えるには、細胞レベルでの精緻な解析が不可欠です。私は1細胞遺伝子発現データを解析することで、加齢に伴ってある細胞では遺伝子発現が上昇し、別の細胞では低下する「逆方向の老化変化」が全身の細胞で広く存在することを明らかにしました。この結果は、ある遺伝子が一部の細胞では老化を抑制する一方、他の細胞では促進する可能性を示唆するものです。老化制御には細胞タイプごとの応答の違いを理解することが重要であると考えています。
現在は、これらの知見を基盤として、老化に立ち向かうための新しい再生医療・細胞医療の開発と、そのための新しいデータ解析手法の研究に挑戦しています。目指す研究のかたちは、バイオインフォマティクスを使った課題解決で、老化生物学と再生・細胞医療研究の両方を加速していくような研究です。ブロックチェーンなどの先端情報技術も取り入れながら、数理・データサイエンスの力で、老化生物学と再生・細胞医療の未来を切り拓いていきたいと考えています。
論文
[1] Okada, D., Zhu, J., Shota, K., Nishimura, Y., & Haraguchi, K. (2024). Systematic evaluation of the isolated effect of tissue environment on the transcriptome using a single-cell RNA-seq atlas dataset. arXiv preprint arXiv:2406.06969.
[2] Okada, D. (2024). The opposite aging effect to single cell transcriptome profile among cell subsets. Biogerontology, 25(6), 1253-1262.
研究紹介
researchmap https://researchmap.jp/daigo_okada/
本事業を通じて解決を目指す世界的課題
ブロックチェーン技術によるゲノム研究のプロジェクト管理の革新
ゲノム研究では、データの取得や解析の過程で膨大なデータが生成され、管理や共有が研究者の大きな負担となっています。特に、データの追跡やチーム内での分担作業の難しさが、研究の効率を低下させる要因です。本研究では、この世界的な課題を解決するため、ブロックチェーン技術を活用し、研究プロジェクトの管理を抜本的に改善するシステムを開発します。ブロックチェーンは、改ざんが困難で透明性の高いデータ管理を可能にする技術であり、これを活用することで研究の記録を安全に共有できます。ブロックチェーンとゲノム生物学の融合により、より効率的なゲノム研究の実現を目指します。
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