ウイルス学
微生物学
口腔科学
ゲノミクス
ナノ医工学
渡辺 崇広
WATANABE Takahiro
2026年度採用
名古屋大学
大学院医学系研究科ウイルス学
講師
専門分野
キーワード
共生ウイルス
ヘルペスウイルス
宿主–微生物相互作用
疾患オミクス
未知ウイルス探索
所属学協会
日本ウイルス学会
日本臨床ウイルス学会
日本口腔外科学会
歯科基礎医学会
日本有病者歯科医療学会
主な研究内容
私たちの健康は体内に共存する微生物によって支えられています。特に細菌叢については、近年の研究の飛躍的な進展により、宿主恒常性-すなわち、からだのバランスを保つうえで重要な役割を果たしていることが明らかにされてきました。一方で、ウイルス叢(Virome)はデータベースの未整備や実証手法の制約から、その役割は未解明のままです。本事業では、ウイルス叢を宿主恒常性の能動的な調節因子(Virome modulation)として捉え、ウイルス叢を読み解き・操る技術基盤の創出を目指します。この目標に向け、工学・ゲノミクス等の異分野専門家と連携し、以下の3つの課題に取り組みます。①いかにしてウイルスだけを純化するか?—ウイルスのゲノムを高効率に読み解くために、医工連携による革新的な微粒子分離技術を確立します。②未知の「ゲノム配列」をいかに解読するか?—AI・機械学習を活用した配列解析により、未知配列に機能的意味を与える次世代インフォマティクス基盤を構築します。③配列データをいかにして生命現象として証明するか?—発見したウイルスをデータで終わらせず、合成生物学的手法で人工的に再構築し、生体内での役割を実証します。
本事業ではまず、採取が容易で非侵襲的な唾液サンプルを基軸に、口腔から腸内・呼吸器へと多様な生体環境との相互作用の解明へ展開を図り、疾患の予測・予防を見据えた先制医療への基盤を築きます。さらに、本事業で確立する技術基盤を、感染症研究をはじめとする幅広い研究領域に還元し、共生ウイルスを生命科学の未来を拓く新たな「生命資源」として位置づけることを目指します。

![]()
論文
1) Md Kamal Uddin, Takahiro Watanabe (co-corresponding), Masataka Arata, Yoshitaka Sato, Hiroshi Kimura, and Takayuki Murata, “Epstein-Barr Virus BBLF1 Mediates Secretory Vesicle Transport to Facilitate Mature Virion Release,” Journal of Virology 97 (2023) no.6, e0043723
2) Yuya Hara, Takahiro Watanabe (co-corresponding), Masahiro Yoshida, H. M. Abdullah Al Masud, Hironori Kato, Tomoko Kondo, Risa Suzuki, Shoko Kurose, Md Kamal Uddin, Miku Arata, Shota Miyagi, Yusuke Yanagi, Yoshitaka Sato, Hiroshi Kimura, and Takayuki Murata, “Comprehensive Analyses of Intraviral Epstein-Barr Virus Protein-Protein Interactions Hint Central Role of BLRF2 in the Tegument Network,” Journal of Virology 96 (2022) no.14, e0051822
研究紹介
Researchmap https://researchmap.jp/takahirowatanabe
本事業を通じて解決を目指す世界的課題
共生ウイルスを生命資源へと転換する統合研究基盤の構築
私たちの体の中には、数十兆ともいわれる膨大な数のウイルスが存在しますが、そのほとんどは「何者なのか」すら分かっていません。ウイルスは病気のイメージがありますが、実は健康の維持にも深く関わっている可能性があります。しかし、ウイルスは構造的多様性が大きく、生体試料中では宿主ゲノムに埋もれるため、解析が困難です。本研究では、ウイルス学と工学・情報科学を融合し、未知のウイルス配列を発見し、その役割を解明することで、共生ウイルスがいかにして生命や環境を取り巻く多様な課題解決に役立つかを模索していきます。
インタビュー
インタビューはありません
関連ニュース
関連ニュースはありません

