中尾央［所属期間　令和4年6月-令和6年3月］

専門分野

進化学
人類学
哲学

キーワード

人間進化
文化進化

所属学協会

日本人間行動進化学会
日本考古学協会

主な研究内容

主に人間進化・文化進化に関心があります．最近は以下のようなテーマに取り組んでいます．
(1) 戦争の進化：先史時代の考古学・人類学的データを用い，戦争の起源と進化プロセスを探っています．たとえば，Nakao et al.（2016）では，主に狩猟・採集に従事していた縄文時代に焦点を合わせ，集団間の戦争に関して，確かな証拠が見つからなかったことを論じました．実際，日本考古学では伝統的に，農耕にはより広い面積が必要であり，それが戦乱の原因となるため，農耕を主体としていた弥生時代から戦乱が始まったと主張されてきました．Nakagawa et al.（2022）では，埋葬データから人口を推測し，受傷人骨数から紛争の頻を推定して，この伝統的な主張を定量的に検証しました．現在は，他の関連データの収集と分析を行っています．
(2) 考古学的遺物や人骨の3次元計測と数理解析：レーザースキャナーやSfM-MVS（Structure from Motion-Multi View Stereo）を用いて，様々な遺物や人骨の計測・復元を行っています．ここ数年は，弥生時代前期の土器（鹿児島県から愛知県にかけての遠賀川式土器）の3次元データを収集し，数学的な解析を行っています．昨年から今年にかけては，縄文時代から古墳時代にかけての人骨の3次元計測を行なってきました．数学的には，ランドマーク法，楕円フーリエ解析，球面調和法などの幾何学的形態計測法を用いて解析を進めています．

論文

Nakagawa, T., Tamura, K., Yamaguchi, Y., Matsumoto, N., Matsugi, T., and Nakao, H. 2021. Population pressure and prehistoric violence in the Yayoi period of Japan. Journal of Archaeological Science, 132: 105420.

Nakao, H., Tamura, K., Arimatsu, Y., Nakagawa, T., Matsumoto, N., and Matsugi, T. 2016. Violence in the prehistoric period of Japan: the spatiotemporal pattern of skeletal evidence for violence in the Jomon period. Biology Letters, 12: 20160028.

研究紹介

researchmap　https://researchmap.jp/read0143838

中尾 央［所属期間 令和4年6月-令和6年3月］