近澤 未歩

CHIKAZAWA Miho

2022年度採用

名城大学
農学部
助教

研究領域:ライフサイエンス
環境・農学

専門分野

食品科学

キーワード

抗体
生活習慣病 
食品成分

所属学協会

日本農芸化学会
日本栄養・食糧学会
日本生化学会

主な研究内容

抗体は、血液中や腸管内に常時産生・分泌されており、感染症の予防や異物の除去などに働く分子である。これまでに、食品成分による免疫系の活性化を介した健康効果について、抗体に着目し研究を行ってきた。食品成分に由来する低分子は、生体内で自然抗体に認識される抗原構造(エピトープ)を生成し、自然免疫系を適度に活性化することで生体にとって有用な自然抗体の産生を誘導することを示し、自然免疫系の活性化を介した食品の健康効果の可能性について明らかにした(Chikazawa et al., J. Biol. Chem., 2013)。血液中や腸管内には、病原体などの異物をはじめとする様々な抗原を認識する抗体が存在する。この様々な特異性を持った抗体集団の全体像を「抗体レパトア」と呼ぶ。食品成分や腸内細菌、疾患などの生体への様々な刺激が抗体の特異性に影響を及ぼすことで抗体レパトアの変化を引き起こし、健康状態に影響することが予想される。
抗体の産生を促進することは健康維持に有用であると考えられており、腸管抗体の産生量を増やす食品成分が複数報告されているが、食品成分により抗体レパトアがどのように変化するのかについては不明な点が多い。これまでの検討より、「食事は抗体の特異性を調整しており、抗体レパトアの変化が健康状態や疾患などに影響する」ことを予想し、食と疾患、抗体レパトアの関係を明らかにすることにより、食品による抗体レパトアの調節により健康増進効果や疾患予防を可能にすることを目指し研究を行なっている。

論文

Chikazawa M, Yoshitake J, Lim SY, Iwata S, Negishi L, Shibata T, Uchida K. “Glycolaldehyde is an endogenous source of lysine N-pyrrolation.”J. Biol. Chem., 295: 7697-7709, 2020

Chikazawa M, Otaki N, Shibata T, Miyashita H, Kawai Y, Maruyama S, Toyokuni S,Kitaura Y, Matsuda T, Uchida K. “Multispecificity of immunoglobulin M antibodies raised against advanced glycation end products – involvement of electronegative
potential of antigens.” J. Biol. Chem., 288: 13204–13214, 2013

研究紹介

researchmap https://researchmap.jp/chikazawamiho

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