田中 良弥

TANAKA Ryoya

2025年度採用

名古屋大学
高等研究院/大学院理学研究科
講師

専門分野

神経生物学
昆虫行動学
分子遺伝学

キーワード

昆虫
ショウジョウバエ
繁殖行動
ゲノム編集

所属学協会

日本神経科学学会
比較生理生化学会
日本進化学会

主な研究内容

世界には、人間の健康を脅かす衛生害虫や農作物に被害を与える農業害虫が数多く存在しており、これらの害虫をいかにコントロールするかは、有史以来人類が直面してきた重要な課題です。近年では、多くの殺虫剤が開発されており、効果的に害虫を制御できるようになりつつあります。しかし、殺虫剤抵抗性の出現や環境負荷の問題から殺虫に依存しない害虫制御方法が求められています。私はこれまでに、昆虫が示す行動にどのような多様性があるのか、そしてその多様性がどのように神経系や分子で形作られるのかに興味を持って研究を進めてきました。例えば、生物学のモデル種であるキイロショウジョウバエとその近縁種を用いて、求愛儀式の進化をもたらす神経メカニズムの解明に取り組んできました。また、最近では、複数の個体が『群れ』を形成する仕組みについても調べています。求愛や群れの形成は、害虫にとっても繁殖する上で重要な行動です。本提案では、こうした理学的研究から得られた知見に基づいて、繁殖行動や群れ形成行動を作用点とした新たな害虫制御方策の提案を目指します。

論文

    Tanaka, T. Higuchi, S. Kohatsu, K. Sato, and D. Yamamoto, “Optogenetic activation of the fruitless-labeled circuitry in Drosophila subobscura males induces mating motor acts,” Journal of Neuroscience 37 (2017) no. 48, 11662–11674

    Tanaka R., Mitaka Y., Takemoto D., Sato M.P., Kamikouchi A., and Suzuki Y., “Switching escape strategies in the parasitic ant cricket Myrmecophilus tetramorii,” Communications Biology 7 (2024) no. 1, 1–10

    研究紹介

    Researchmap 田中 良弥 (Ryoya Tanaka) – マイポータル – researchmap

    本事業を通じて解決を目指す世界的課題

    害虫による被害拡大・世界的な殺虫剤抵抗性の出現がもたらす健康問題と食糧問題

    害虫をいかにコントロールするかは、有史以来人類が直面してきた重要な課題です。近年、殺虫剤をはじめとする様々な技術革新により、多くの害虫のコントロールが可能になりつつあります。しかし、従来の害虫制御手段には、環境負荷や殺虫剤抵抗性の観点から改善の余地があることが指摘されています。本課題では、昆虫の行動とそれを生み出すメカニズムを遺伝学や神経生物学に基づいて理解し、その知見を応用することで環境負荷の少ない新たな害虫制御方策の提案を目指します。

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