宇佐見 享嗣

USAMI Atsushi

2024年度採用

名古屋大学
高等研究院/トランスフォーマティブ生命分子研究所
YLC特任助教

専門分野

生物工学
昆虫学
ナノバイオサイエンス
バイオ機能応用

キーワード

生体触媒
ナノカーボン
昆虫
生物変換

所属学協会

日本化学会
日本農芸化学会
日本応用動物昆虫学会
有機合成化学協会

主な研究内容

現在、我々の身の回りに存在する機能性分子の多くは、フラスコ内生産、つまり化学合成が常識であり様々な反応や触媒が開発・利用されています。しかし、位置立体選択性や官能基特異性が求められる分子の合成には多段階化に伴うコストと廃棄物問題が深刻となり、喫緊の課題として新たな反応や反応システムの開発が依然として強く求められています。一方、生体触媒(酵素)による高選択的な化学反応は、生合成や異物代謝分野で独自に発展・進化してきており、これら生物機能は有機合成化学とは異なる分野として捉えられ、積極的な利用が立ち遅れています。本研究では、機能性有機物質創製の分野に「生物による物質変換・創製技術」を融合させ、有機合成では達成しがたい生物機能ならではの新たなケミカルスペースを開拓することを目指します。まず、生体触媒として使用する昆虫がもつ物質変換に関与する酵素タンパク質の変異体ライブラリーを構築し未踏分子を創製します。次に、得られた結果を網羅的に解析し機能が最大限に発揮される人工酵素を作出します。最後に、低・未利用資源の賦活化、植物増産を可能にする新規生体触媒の創製に挑戦します。
本研究では、異分野・異業種研究者と相互連携し、環境適合性に優れた物質生産および資源循環システムの構築を目指します。

論文

  1. Atsushi Usami, Masahito Ishikawa, and Katsutoshi Hori, “Gas-phase bioproduction of a high-value-added monoterpenoid (E)-geranic acid by metabolically engineered Acinetobacter sp. Tol 5,” Green Chem (2020) 22, 1258.
  2. Atsushi Usami, Masahito Ishikawa, and Katsutoshi Hori, “Heterologous expression of geraniol dehydrogenase for identifying the metabolic pathways involved in the biotransformation of citral by Acinetobacter sp. Tol 5,” Biosci Biotechnol Biochem (2018) 82, 2012.

研究紹介

researchmap https://researchmap.jp/592vBhYD

本事業を通じて解決を目指す世界的課題

昆虫の生物機能を巧みに用いた資源循環型モノづくりの実現

現在、我々の身の回りに存在する機能性分子の多くは、フラスコ内生産によって合成されています。しかし、求められる分子の合成には多段階化に伴うコストと廃棄物問題が深刻となっています。一方、生体触媒(酵素)による高選択的な化学反応は、生合成や異物代謝分野で独自に発展・進化してきました。そのため、これら機能性分子合成の分野に「生物による物質変換・創製技術」を融合できれば、有機合成では達成しがたい生物機能ならではの新たなケミカルスペースの開拓できると考えられます。そこで本研究では、昆虫を生体触媒に用いた物質変換に着目し、環境適合性に優れた物質生産および資源循環システムが構築することを目指します。

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