東 直輝

AZUMA Naoki

2021年度採用

名古屋大学
大学院工学研究科
助教

研究領域:ナノテク・材料
ものづくり技術(機械・電気電子・化学工学)
自然科学一般

専門分野

ナノマイクロシステム
バイオ分析
ナノマイクロ計測
設計工学

キーワード

ナノ計測
DNA分析
マイクロ流体デバイス
超解像イメージング

所属学協会

日本機械学会
応用物理学会
日本トライボロジー学会

主な研究内容

病原菌(細菌、ウイルス)による感染症のまん延が国際的な脅威となっています。病原菌の感染拡大を早期に阻止するには、感染経路の迅速な特定が必要であり、それには病原菌が遺伝子レベルで同じかを判別するDNA分析法が用いられます。検体から抽出したDNAを制限酵素によって特定の塩基対部で切断し、断片化したDNAを分析することで病原菌の遺伝子型を判別します。感染拡大を早期に阻止するには、感染経路の迅速かつ大規模な特定のために、遺伝子型の高速判別と大規模で網羅的な解析を実現する必要があります。本研究では、微小流路内にマイクロ・ナノ構造を形成したマイクロ流体デバイスによる遺伝子型の高速分析と情報技術による大規模で網羅的な解析を組み合わせた感染経路特定システムを開発することを目的とします。まず、本研究のコア技術である病原菌の遺伝子型を高速に分析するDNA分析デバイスを独自に開発します。次に、情報技術による分析データの大規模な収集と網羅的な解析を実現します。そして、分析結果に基づいて感染経路を迅速かつ網羅的に特定する仕組みを構築します。本研究では、生物学、医学、情報学、感染症学といった異分野研究者と相互に連携を図ることでこれらの課題を解決し、感染経路を大規模で迅速に特定するシステムを構築することを目指します。

論文

Naoki Azuma, Kenji Fukuzawa, and Shintaro Itoh, “Super-localization of individual fluorophores along a DNA strand in a microchannel,” Applied Physics Letters 119, 023701, 6 pages (2021).

Naoki Azuma, Shintaro Itoh, Kenji Fukuzawa, and Hedong Zhang, ” Separation of large DNA molecules by size exclusion chromatography-based microchip with on-chip concentration structure,” Japanese Journal of Applied Physics 55, 06GN01, 8 pages (2016).

研究紹介

researchmap https://researchmap.jp/naokiazuma
Laboratory Website http://ayame.fukuzawa.nuem.nagoya-u.ac.jp/

本事業を通じて解決を目指す世界的課題

病原菌の世界規模でリアルタイムな感染拡大対策の実現

病原菌の迅速な感染拡大対策を実現することは世界的に急務な課題です。新型コロナウイルス(COVID-19)の感染による死者数は数百万人に達しています。薬剤耐性菌のまん延も深刻であり、2050年には年間死者数が1000万人を上回ると推定されています。世界規模の感染経路を迅速かつ網羅的に特定するシステムを構築できれば、感染経路の迅速な遮断と早期な感染拡大対策を実現できるため、感染拡大を早期に阻止できると考えられます。そこで本研究では、病原菌の遺伝子型の高速分析を可能とするマイクロ流体デバイスを独自に開発し、これと情報技術を組み合わせることで、大規模で迅速な感染経路特定システムを構築することを目指します。

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